fc2ブログ

朱色の刻

ゲーム「緋色の欠片」の二次創作小説ブログです。真珠をメインに守護者×珠紀を目指しています。他にも翡翠、悠久、VitaminXなど、NLオンリー乙女ゲーム中心に書いています。

紅の幻想。(翡翠:晶×珠洲)

2009-01-23-Fri-21:51


※注意※

このお話しは、ラブ度皆無。むしろ、ダークシリアスです。
珠洲が当サイト特注裏珠洲へと変化しております。
原作の雰囲気を壊したくない方は見ない方が良いと思われます。
あと、リハビリ的なSSなので、文章も微妙…という…

それでもよろしければ、↓へとお進みくださいませ。


もしも、珠洲が生贄の道を選んだなら…という設定です。



【紅(アカ)の幻想。】







=========================


 視界を塗りつぶすのは、紅い色。
 空気を含み、紅く紅く紅く紅く…
 いや、もしかしたら、それは、そう見えるだけなのかもしれない。
 世界は相変わらず、黒と白で構成され。
 まるで、シナリオのように届く人の声。
 薄い紙の上に描かれた表情に素顔を隠し、ただ、ひたすらに今を歩む。
 そう、今ですら…

「珠洲っ!」

 声が聞こえた。

「珠洲っ!!!!」

 音が聞こえた。
 既に、この大地へと倒れ付し、一体どのくらいの時を過ごしたのか、珠洲は解らない。
 だが…


 蒼く蒼く輝く勾玉と。
 己のものではない声が、封印しろと言葉を告げた。
 瞬けば、目の前には、かつて姉と呼んだ…姉と名乗った、愛しいと思いこんでいた存在が居て、憎悪に彩られたその眼差しと、反して上がった口角に、『あぁ、やはり…』とどこかほっとした事を覚えている。
 数刻前。
 愛しい人と唇を重ねた。
 数刻前。
 共に生きようと言葉を交わした。
 抱きしめられた腕は強く。
 珠洲を見据える眼差しは強く。
 けれど、上がる体温に反して冷えていく心を、珠洲は自覚していたから。

「珠洲っ!」
 思いのほか近くで聞こえた声に、過去へと向けていた意識を現実へと戻す。
 背に感じるのは、丈の短い緑の草で。
紅い視界に映るのは、この地へ来た時よりも、高く上った紅い月。
 指先は動かない。
 声を発する事すら叶わないだろう。
 唯一、動かせる瞼だけを再び動かし、珠洲は視界に入る少年へと視線を向ける。
 紅い世界に唯一見えた、青い青い光は一つ。
 幼い頃から側に居て。
 共に過ごし、共に歩み、その態度が変わってしまったその意味を、本当は気付いていながらも、決してそれを口にせず。
 守り愛してくれた存在へと想いを込める。

 共に歩む道が無かったわけではない。
 立ち向かう術が無かったわけでもない。
 敵を倒し、生き残る術が無かったわけじゃない。
 それでも、その全てから目を背け、珠洲はたった一つの道を選んでしまった。
 そう…


『私が犠牲になれば…』


 なんて、容易く。
 なんて、安易な。
 なんて、愚かな己の答え。

 それでも、珠洲はソレを選んだ。
 愛する人が居ても。
 守り抜くと言ってくれたとしても。
 未来に繋がる可能性があったのだとしても…

 動かぬ口角を動かして、珠洲は静かに笑みを浮かべる。
 相手には見えないだろう。
 実際、動かすことなど出来ていないのだから。
 それでも、珠洲は、笑みを浮かべた。

 理由なんて、考えるまでも無く解ってしまう。
 自己犠牲の道を選び。
 愚かな選択を敢えてして。
 苦しみと、悲しみと、絶望を相手の胸に焼き付けて。
 そう、一生…守れなかったという枷を、背負って生きてくれるのならば。

 頬に落ちる暖かい雫。
 瞳に映る色は、変わらず紅く。
 彼の髪も彼の瞳も、彼の存在そのものすら、紅く紅く紅く。


 ツキリ


 ほんの一刺し、胸が痛んだ。
 だが、それで終わり。


 消え行く赤と。
消え行く世界。
闇に沈んだ思考の中で、珠洲は、ただただ相手を想う。


 泣かせてごめんなさい。
 泣かせてごめんなさい。
 泣かせてごめんなさい。


 ああ、けれど。

 どうしよう。それでも、とても幸せなのだと。





======================
あとがき。
病んでいる時に書いた品物は、比較的、病みますね。えぇ、本当に。
でも、何だろう。珠紀のダークサイドとは違う珠洲のダークサイドです。珠紀のダークサイドは、それでも、どこか救いがあって、本当は自分がいけないと思っているから、ダークサイドに落ちても罪悪感はあるのです。でも、珠洲のダークサイドは際限がない。闇に安らぎを求めて、光に痛みを覚えて。現実で笑いあう日々は、どこか夢の中の出来事のように現実味を帯びていない。
失う事が恐いわけじゃない。手に入れてすらいないのだから。そんなイメージです。いや、ゲーム本編の珠洲とはえらい違いですけど…何だろう。私の中の珠洲は、こんなポジションなんですよね。
いや、ちゃんと、ダークじゃない珠洲も書きますが(笑)
スポンサーサイト



COMMENT



コメントの投稿

HOME