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朱色の刻

ゲーム「緋色の欠片」の二次創作小説ブログです。真珠をメインに守護者×珠紀を目指しています。他にも翡翠、悠久、VitaminXなど、NLオンリー乙女ゲーム中心に書いています。

堕天使(男アリア×珠紀…10年後)

2006-09-25-Mon-01:24
 どうして…
(どうしてなのかは、解らない)

 何故…
(何故なのかは、解らない)

 いつから…
(いつからなのかは、解らない)


 気がつけば、目で追っていた。

 出会ったのは、愛だ恋だの以前の時。
 お互い幼く、相手はもっと幼かった。

 同じものを感じ、同じ空気を感じ
 敵でありながら、魅かれずにはいられなかった。

 一歩踏み出したのは彼から。
 逃げ出したのは自分。

 自分を慕う眼差しの中に、時折現れる光。
 それに気づかず1年。
 見ないふりをして1年。


 告げられる言葉と、年々大きくなっていく、その感情に、恐怖と…そして、もっと別の何かを感じて…逃げ出した。


「珠紀」
 己の名を呼ばれ、少女はゆっくりと振り返る。
 秋風に髪は広がり、それを抑えるように顔の横へと手のひらを当てた。
 瞳に写るのは、透明な青。
 そして、お日様の光のような、金。
「私の側を離れないで欲しいと、言っておいたはずだ」
 ゆっくりと歩み寄ってくるその姿は、10年前からは予想もつかないほどに成長した、相手。
 短く切られた髪。前髪はゆるくウエーブしながら額にかかり、空の青とも見まごうその眼差しは、周りの景色など欠片も写さず、ただ、珠紀だけを見つめている。
 出会った時は、少女と言われても疑いを持たぬほど、愛らしい姿だったというのに…
「アリア」
 自分だけが、昔と変わらずここに居る。
 自分だけが、昔と変わらず…未だ、彼から逃れたいと…そう、思っている。

 怖くて、怖くて…だけど、綺麗な彼から離れられず…
 触れられる指先も、交わされる口付けも、拒む事が出来ず…むしろ、もっとと望む自分が居る事を知っている。

 アリアが一歩踏み出す。
 同時に、一歩下がった珠紀の背に、木の幹が当たり…

「また、私から逃げるのか?」
 取られる手首。
 落とされる影。
 己よりも小さかったその姿は、今は己を軽く超え、木の影とは違う影を己に落とす。
「………だって」
 この感情を、なんと言ったらいいのだろう。
「珠紀が、何を思って…何を怖がっているのかは、解っている。意識されないよりは、そちらのがいいと思っていた。だが…」
 手首から手のひらへ。
 まるで、指先で遊ぶようにアリアの親指が珠紀の肌の表面をなぞり…
「私は、十分待ったとは思わないか?」
 これが、あの少女なのだろうか。
 威厳に満ち、それこそ、神の使いという名が当てはまる、聖女と呼ばれていた少女。
 様々な理由があり、本当は少女の格好をしていた少年だったのだけれど…
「……は…なして…」
 魅せられる。
 青い眼差しに捕らえられる。
 上へと上がる己の手。
 騎士がその忠誠を誓うように、指先へキスを。
 次に、手のひら。
 …そして、手首の内側。
「嫌だ。離さない」
「…っ」
 残る、赤い印。
「私のものになれ。珠紀」
 言霊ではない。
「他の誰にも触れさせはしない。私のものに、なれ」
 なのに…
 

 …逆らえない…


 まるで根が生えてしまったかのような両足。
 反らせぬ眼差し。
 アリアは満足そうに瞳を細め…





「私が、好きなんだろう?」




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あとがき。

 これは、拍手で「成長した男アリア×珠紀」のお話しを…とのリクを頂いたので、書かせて頂きました。成長したアリアは、きっと、色気むんむんで、タラシオーラの全てを珠紀に垂れ流しているんじゃないかと…
 
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COMMENT



葉月さまへ。

2007-10-04-Thu-23:00
男アリアは好きですか?(にやり)
アリアはやっぱり男の子だったが良いと思うんですよーっ!
アリアVS守護者
素敵ですねぇ(キラン)
遅くなるとは思いますが、気長に待っていただければ嬉しいです。
幼馴染の少年は、きっと先輩ヤキモチ焼きますね。えぇ、確信しております。
うわー。素敵なネタ、ありがとうございましたーっ!!

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2007-10-04-Thu-10:40
このコメントは管理人のみ閲覧できます

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