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朱色の刻

ゲーム「緋色の欠片」の二次創作小説ブログです。真珠をメインに守護者×珠紀を目指しています。他にも翡翠、悠久、VitaminXなど、NLオンリー乙女ゲーム中心に書いています。

色のついた夢。(リトルアンカー:フェンネル×藍澄)

2009-06-07-Sun-00:04




【色のついた夢。】

(リトルアンカー:フェンネル×藍澄)

ED1後。
暗い+痛いです。







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 紅い、夢を見た。
 赤い、朱い、紅い夢だ。
 床一面に広がる真紅の薔薇の花びらの上を、白のドレスに身を包み、一歩一歩歩いていく。
 薄いヴェールの向こう側に、相手の顔は見えなかったが、面倒そうに差し出された腕や、だるそうに傾けられた体に、誰かなんて事は疑いようもなく。
 だから、藍澄は手を伸ばし、白の手袋に包まれた指先を、冷えた掌にソ…と乗せ。

「泣くな」

 彼が、告げた。

「おい、泣くんじゃ無ェ」

 彼が、告げた。
 見えない顔。
 見えない体。
 一面を埋め尽くす薔薇の花びらの只中で、指に感じた冷たさと、愛しい彼の声だけが、ただ、この世界を彩っていた。

 声は出ない。
 言葉も、出ない。
 進まぬ足に、離れる指先。
 恨み言を告げる事も、縋り、引きとめる術も自分は無くて、ただ………


「夢の中でくらい…一緒に居てくださいよ」


 ようやく零れた音と共に、世界は闇に閉ざされた。


 青の空の下。
 白の雲の下。
 耳に届く蝉が鳴く。
 その中で。


 はらり


 薔薇の花びらが、一枚流れ、空へと消えた。


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あとがき。

あまりにもED1が衝撃過ぎて書いてしまった作品です。
今度はED1後でも、フェンネル視点で書いてみたいです。
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