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朱色の刻

ゲーム「緋色の欠片」の二次創作小説ブログです。真珠をメインに守護者×珠紀を目指しています。他にも翡翠、悠久、VitaminXなど、NLオンリー乙女ゲーム中心に書いています。

01 さみしいのかもしれないすこしだけ (緋色:拓磨×珠紀)

2009-09-17-Thu-21:16
【さいごにきみとみるせかいがどうかきれいなものでありますように30題 】

(お題はオセロ様からお借りしました。)

01  さみしいのかもしれないすこしだけ(緋色の欠片:拓磨×珠紀)


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 じゃぁね。
 またね。
 明日の朝に。

 繰り返し繰り返し繰り返し紡いだその音を、今日もまた紡いで玄関までの距離を歩くべく、珠紀は一歩踏み出した。

 沈んでいく夕日。
 向き合う背中。
 足元へと視線を落とせば、自分の影と、相手の影が目に入る。


「拓磨」

 紡いだ音を胸に抱き。

「拓磨」

 囁く声を大地に落とし。

 同じ教室で。
 同じ時を過ごして。

 戦いはまだ続いていて。
 少しずつ縮まる距離に違いはなくて。

 けれど…

 掌を見つめて吐息を落とす。

 何故、こんなに気になるのかが解らなくて。
 どうして、こんな思いになるのかも解らなくて。

 足元から消える影に、引き寄せられるように振りかえる。

「何で、こっちを見てるんだろう」


 合わさる眼差しに呟いた。

 相手の表情は影になって見えなくて。

 けれど、それでも…

『さっさと入れ、馬鹿』

 聞こえぬ音が、耳へと届いた。

 沈む夕日。
 伸びる影。
 瞬くと同時に、彼の顔は見えなくなった。




■■■



 背中を向けて歩き出した。
 足の裏の砂利が音を立てる。
 手のかかるヤツだと思っていた。
 自分の立場も理解していない。この地にふさわしくない存在だと、そう、思っていた。
 いや、それは今も変わりはない。
 わざわざ送り迎えをしなければならないくらい、玉依姫という名を背負う少女は、そこらに居る少女と変わりはなくて。

 なのに…

 音は聞こえない。
 自分を呼ぶ声があるわけでもない。
 それなのに、拓磨は足を止めて振り向いた。

 オレンジ色の光。

 こちらを見つめる少女の眼差し。
 もう既に、家に入っているのだろうと、そう、思っていたから…

「早く入れ。馬鹿」
 聞こえるはずがないと解りつつも、言葉を紡ぎ、視線を反らす。

 何故…

 ふいに浮かぶ疑問は、何にあててなのか己自身ですら解らずに。

 けれど…

「何を…考えているんだ。俺は」

 少しだけ…
 そう。ほんの少しだけ。離れがたいと思ってしまった。

 

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あとがき。

 久々のSSは、発情期の続きではなく、お題だったりします。
何でしょう…こう、このお題を見た瞬間に拓珠のイメージが…イメージ画・・・
お互い、気付いているけれど、解らない。そんなイメージだったりします。

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