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朱色の刻

ゲーム「緋色の欠片」の二次創作小説ブログです。真珠をメインに守護者×珠紀を目指しています。他にも翡翠、悠久、VitaminXなど、NLオンリー乙女ゲーム中心に書いています。

「ねぇ、ちゅーして?」 アリア(♂)の場合

2006-10-09-Mon-19:21
※注意※

読まれる前にご一読下さい。
このお話しは、真弘×珠紀←男アリアのお話しとなっております。
アリアは女の子でなければダメ!
男化なんて信じられない!…という方は、見ない事をオススメいたします。
また、このお話しは拍手SS「晴天の霹靂。」の続編のようなものにもなっておりますので、そちらを見てから読んで頂けると、より一層楽しめる…かもしれません。

以上の事を読まれても、読んで頂けるという心優しきお客様は、ぜひぜひ【Read More】をどうぞ。


いいんですか?

本当にいいんですか?


ではではどうぞ~。


「珠紀。ちゅーとはなんだ?」
 唐突に告げられた言葉。
 テレビを見ていた。
 そう、今、テレビを見ていたのだ。
 アリアが実は男の子だったり…とか、そんなアリアに想いを告げられたり…だとか、なんだかんだありながらも、現状なんら変わりなく過ごしていく日々。
 あれきり、アリアが何のリアクションを起こしていない…というのも、理由の一つにある。
 油断していた。
 あれから、確かにアリアはスカートをはかなくなった。髪も一つで結ぶようになった。
 だが、どこからどう見ても美少女でしかないアリアに、身の危険を感じろ…という方が、中々難しい。
 そして、起こらないリアクション。
 最初こそ、警戒していたものの、なんら変わりないその姿に今はもう、警戒心の欠片もなく…
「………」
「珠紀、テレビで言っていたではないか。ちゅーとはなんだ?」
 先日、貴方が私にした事です…と、言ってしまえればそれで良かったのだが、いかんせん、それを言ってしまうには珠紀には羞恥心がありすぎた。
 黙りこんだまま、テレビを見続ける珠紀に、近寄るアリア。
 隣同士で座っていた。
 座布団2枚。
 20センチ程は離れていた。
「珠紀」
 だが…
 思いのほか近い声に、顔を相手へと向けてみれば、それこそ触れ合うほどに近い相手の顔。
 真面目な表情に、真面目な口調。
 だが…だがである。
 慌てたように、後ろに下がろうとする珠紀の首に細い腕が回される。
「ちゅーとは、何だ?」
 間近で見れば見るほど解る。
 目が笑っている。
 一見して、真面目に見えるその表情の中で、眼差しだけがおもちゃを見つめる子供のような色を帯びている。
 触れる額。
 唇にかかる吐息。
「…っ、アリア…近すぎ」
「珠紀が教えてくれれば、離れるが?」
 ゆっくりと上がっていく口角に、珠紀は視線を泳がせる。
 離れなくては…という気ばかりが焦り、だが、一歩も動けていない現状。
「教えろ。珠紀」
 面白がっている。
 そう、面白がっているのだ。
 目の前の存在は…
「教えなければ、キスをするぞ?」
「…っ!」
 瞳を強く閉じる。
 口に出しては言えない。
 だからといって、されるわけにも行かない。
 だって…今の、今ですら、脳裏に思い浮かぶのは…
「…センパイ」
 空気が…変わる。
 一瞬にして、気温が下がったかのような錯覚。
「目を開けろ。珠紀」
 低くなる声は、少女…とは、もう思えない。
「…」
 瞼の上からでも感じる強い眼差し。
「私を、見ろ。珠紀!!」
 瞳は開けない。
 見てはいけない。
 見てしまえば…
「そこかぁっ!!」
 突然の怒声。
 吹き飛ぶ襖。
 目を開けずとも解る。
 その声は、聞き間違う事など出来るはずがない…
「真弘…」
 己に向けられた視線が反らされたのが解り、そこでようやく珠紀は瞼を開けた。
 音からだいたい想像ついたものの、部屋と廊下を隔てる襖は壁まで吹き飛んでおり、その入り口には…先ほどの怒声はどこへやら、何やらぽかんとした表情の真弘が…
「オマエら、何やってんだ?」
 しかも、襖を吹き飛ばしておいて、言う事といえばそんな一言だった。
「真弘、用がないのなら出て行け」
 近すぎるアリアと珠紀の体勢。
 先ほどの口付ける寸前のそれとは明らかに違うものの、アリアの片手は珠紀の項に回っている。しかも、いつもよりも格段に低いアリアの声音。
 いつもとは違う気配。
 それに気づいたのか、真弘の眉が僅かに動く。
「…珠紀、オマエ、俺様を呼んだだろ?」
「呼んでなどいない」
「オマエに聞いちゃいねえんだよ。ちびっ子」
 呼んだ。
 確かに呼んだ。
 だが、それは襖の向こうに居る相手に聞こえる程大きくはなく…
 真弘は珠紀へと近寄ると、唐突にその腕を掴むと立ち上がらせる。
 油断していたのか、アリアの手からあっさりと珠紀の体は離れ…
「呼んだだろ」
 向けられる眼差し。
 向けられる声。
 肩から抜けていく力。
 体を満たす…安堵。
「呼び…ました」
 向けられる笑顔に自然と瞳が和らぎ…
「……」
 ふいに、手を握られる。
 己のものよりも小さいそれ。
 瞬間にビクリと揺れる肩。
「何か用か?ちびっ子」
 先ほどとは逆の台詞。
 だが、アリアはそれには答えず、握った珠紀の指をそっと引き寄せ。
「今は、返しておいてやろう」
 言葉と同時に指先へと口付けた。
 唇で挟み、肌の表面を舌で軽く掠めてから唇を離す。
 少女…
 そう、少女そのものの容姿で…
「オマエ…何を…」
「そのままの意味だが?いずれ、珠紀は私が貰うからな。真弘」
 一瞬、火花が散ったかのような錯覚。
 真弘も何か感じたのか、きつくなる眼差し。
 アリアが二人の横を通り過ぎ、視界から消えるまでその眼光が和らぐ事はなく…

「…おい、珠紀」
 アリアが消えた廊下を見つめたまま、真弘は珠紀の手を強く握る。
 まるで、真弘の心情を現すかのように、強くなる珠紀の手を掴む力。
 今までは……
 そう、今までは、どこか楽しそうに見えた。
 怒鳴りあい、喧嘩しあいながらも、言い合う二人はどこか楽しそうに見えていた。
 だが…
 珠紀は瞳を伏せると、繋いでいたい方の手を強く握る。
 心は決まっているのに、突き放せない。
 自分の心なのに、従わない体。
「センパ…」
「アイツ、いつからそっちの道に…」
「違っ!!」
 シリアスだった。
 そう、つい先ほどまではシリアスだった。
 だが、思わず入ってしまった突っ込み。
 それほどに…
「違うっつっても、あのチビッコの目はマジだったぞ?…珠紀、オマエ…美鶴といい、アイツといい…」
「ちょ、待って下さい。そもそも美鶴ちゃんは関係ないじゃないですか」
「関係なくないぞ。ここに来るたびに、何度アイツに邪魔されたかと…」
「…て、それはセンパイが、その…」
 瞬間、赤くなる頬。
 美鶴が部屋に訪れる時は決まっている。
 二人きりになった時。
 真弘が、ふいに珠紀を見つめた時。
 声に艶が帯びたとき…
 …と、そこまで考え、慌てたように珠紀は首を横に振った。
 そもそも、考えるのはソコではなく…
「…じゃなくて、アリアはそっちの道になんて行ってません」
「まぁ、照れるな。珠紀。いいじゃねぇか、モテモテで」
 先ほどの厳しい目つきはどこへやら、むしろ、向けられるのは生暖かい眼差し。
 誰が…
 先ほどとは違った意味で、珠紀の握った片手が細かく震える。
 どんな思いをしていたのか、知らないくせに…
 八つ当たりとは解っている。
 すぐにアリアを突き放す事が出来ない自分にも原因はある。
 だが……
「…っ」
「珠紀?」
「センパイの………馬鹿ぁ!!」



 【ゴスッ】




「ぅ……ぉ……」
 見事、真弘の腹にめり込む珠紀の握り拳。
 かつての黄金の左手と呼ばれても良い程に綺麗に決まったパンチに、真弘は動く事も出来ず額から流れ落ちる脂汗。
 殴られた拍子に、珠紀の腕からは真弘の手は外れており…
「アリアは、男の子ですっ!」
 悔しいやら、悲しいやら、情けないやらで、瞳に浮かぶ涙。
 とたんに、苦痛に呻きながらも顔色の変わる真弘をキ…と睨みつけ
「アリアは、男の子なんですっ!」
 もう一度告げ…そして、走って逃げた。
 悔しい事に、これだけ言っても相手が好きな気持ちは変わらず…
 これだけ言っても、心に住む存在は変わらず…





 一人、取り残された真弘。
「…まぢか…」
 冷や汗たらたらで呟くものの、その言葉に答えるものは誰もおらず…
 余計な一言のため、見事ドツボにはまった少年の苦難は、今、始まったばかりである。
 



----------------------------------------------
あとがき。

……………シリアス………だったんですよ?や、もう、本当に…。
何故でしょう。ま、まぁ、無事書き終えました。真珠前提の男アリア話し。これは、かねてより約束していた林檎様へと進呈いたします。
 あの、素晴らしいネタにこれで釣り合うとは思えませんが、ぜひぜひ、貰ってやってくださいませ。


 

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COMMENT



2006-10-13-Fri-21:46
サオリ様へ。

いつもコメント有難うございますっ!今週は、しっかり頑張ってますよー。なんせ、更新強化週間ですしっ!せめて、今週だけはっ(マテ)
真珠←アリは、個人的に一押し!なカップリング(?)なので、そう言って頂けると、密かにガッツポーズとか取ってしまいます。
 やはり、主人公は皆に愛されてなくてはっ!という、私の勝手な妄想だったのですが、サオリ様にお褒めの言葉とか貰ってしまうと…図に乗りますよ(マテ)
……て、かかっか風邪、大丈夫ですかっ!?ちゃんと、暖かくして、寝てないとダメですよー。早く、風邪が良くなって、緋色が出来るように、念を送っておきますので。私は、なんとかは風邪ひかない…を地で行ってますので(笑)
 ではでは、コメントと励ましのお言葉、本当に有難うございました。

管理人のみ閲覧できます

2006-10-13-Fri-01:15
このコメントは管理人のみ閲覧できます

2006-10-10-Tue-02:50
林檎様。

や、むしろいらないと突っ返されても、ぜひぜひ貰って下さいと、押し付けますが…(マテ)
 やはり、珠紀は最強でなくては…ゲーム本編でも、あの、ナイスパンチはしっかりと活躍されていたので。
 でもでも、喜んで頂けて本当に良かったです。
 こんなんじゃ、物足りねぇぜっ!と、卓袱台返しも覚悟していたのでー。
 励ましのお言葉、本当に有難うございます。これからも、ばっしばし書いていきますので、ぜひとも、また、ネタを…(笑)…ではなく、ぜひぜひ、遊びに来てやってくださいー。

2006-10-09-Mon-23:51
いいんですかっ?!
もらっちゃって、いいんですか~っ! (T_T) ←ウレシナキ

いいよいいよアリア。v-218
オレが一番エライなアリア、いいっすよ!!!

そして。
真弘先輩サイコー!真弘先輩サイコー!真弘先輩サイコーだああああっ!!
ころころ変わる真弘先輩の表情が目に浮かびましたヨ~♪
真弘先輩の今日の一言。

「…まぢか…」

で決まりっすね! d(^-^)

そして。
比喩ではなく、最強の女! 珠紀サマ!
いや、あなた、守ってもらわなくても大丈夫ですから... (^_^;)

ほんとに、ありがとーございます!
ありがたく頂戴してゆきます~(*^_^*)
これからもイイモノ書いてくださいませ!!
#こんなにイイ思い出来るんだったら、またネタ投下したくなっちゃうかも...ね?

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