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朱色の刻

ゲーム「緋色の欠片」の二次創作小説ブログです。真珠をメインに守護者×珠紀を目指しています。他にも翡翠、悠久、VitaminXなど、NLオンリー乙女ゲーム中心に書いています。

28 よみのくにまで (薄桜鬼:現代パロ 平助+沖田+千鶴幼少時)

2009-10-26-Mon-21:41



【さいごにきみとみるせかいがどうかきれいなものでありますように30題 】

(お題はオセロ様からお借りしました。)


28 よみのくにまで

(薄桜鬼現代パロ:平助+沖田+千鶴幼少時)

※注意※

このお話しは薄桜鬼の現代パロとなっております。カップリング自体はございません。
文章的に微妙です。それでもよろしければ、このまま下へとお進みください。
自己満足の一品ですので、数々の矛盾は目をつぶっていただけたらありがたいです。








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 うすいみずいろのそらときぃきぃおとをたてているぶらんこさびついたじゃんぐるじむちゅうおうにすこっぷのささったすなばざわざわとおとをたてているおおきなきみんみんとうるさいせみのこえ。

 額から流れ落ちる汗を腕で拭いながら、千鶴は目の前に立つ二人の少年を見つめていた。
 …いや、見つめていたわけではない。
 睨み…つけていたのだ。
「そんな顔するなよ。千鶴」
 困ったように眉を下げ、告げられる言葉に千鶴は嫌々と首を振る。
「だって仕方がないと思うんだけど?君、女の子だし」
 もう一人の少年が、ほんの僅かに口角を上げて、千鶴を馬鹿にするように言葉を紡ぐ。
 場所はいつも遊ぶ公園で、小学校も夏休みに入ったのだからと幼馴染二人をこの公園まで連れ出した。
 物心ついた時からずっと一緒のお隣さん。
 一緒じゃない時などないくらい、三人でずっと遊んでいた。
 時折、兄である薫もソレに加わり…だから、今日もそうして楽しい一日を過ごそうと、そう、思ったのだ。
 なのに…
「…っ、わたしだって…っ、したい」
 両手を強く握り締め、千鶴は浮かぶ涙を零さぬように、目頭に強く力を入れる。
「だぁかぁらぁ」
「前から思っていたけど、頑固だよねぇ」
 呆れたような声音。
 明らかに、困ってます…とでも言いた気な、表情。いや、困っているのは一人だけで、もう一人は笑みを浮かべているものの、いつまでも折れない自分に不機嫌になっているのだろう。普段見えない彼の眉間に、薄く一本皺がよる。
 このままでは嫌われるかもしれない。
 折れてしまえば、いつもと同じように楽しい日々がすぎていくのだ。
 夕方になれば、きっと今、こんな事を考えていたことすら忘れてしまう。
 そう、解っているのに…
「私だって、正義の味方役、やりたいっ」
 どうしても、譲れなかった。

【人斬り戦隊、シンセンジャー】
 子供向けにしては物騒な二つ名を持つその戦隊モノは舞台が江戸時代という事もあり、目新しいもの好きな子供たちに一大ムーブメントを巻き起こしていた。
 小学校はもちろんの事、幼稚園、そのお母様方にも根強いファンを増やし、デパートに行けばシンセンジャーグッズが立ち並び、筆箱、シャープペン、ノート、靴…その他諸々の品物が売れ行くその中で、子供たちの最近の遊びと言えば、シンセンジャーごっこ…というのは当然の流れと言っていい。
 もちろん、千鶴たちもソレは例外ではなく…
「じゃ、じゃぁさ。千鶴は情報を与える団子屋ヤギの娘とかっ」
「やっ!」
「…ぁーもう。面倒だなぁ。いっその事、その辺を歩いている猫とかやってれば?」
「いやっ!」
 最初、千鶴に出された役名は敵に攫われた村娘だった。
 何せ、三人しか居ない中で必須とも言える敵の存在を作れるはずも無く…だからこそ、千鶴にその役が与えられたわけなのだが。
「ぜったいに、いやっ!」
 何故、これほどまでにソレに執着するのか…
 思わず零れ出た涙を手の甲でぬぐい、千鶴は己にすら解らぬ感情に尚も苛立ちを募らせる。
 正義の味方。
 シンセンジャーが好きであるのなら、誰でもやってみたくはある。
 だが、千鶴自身、それだけが理由のようには思えなかった。
 この想いを、何と言っていいのか解らない。
 何故、これほどまでに執着するのかも解らない。
 一緒に遊ぶだけなら、村娘でも、敵でも…何だって良いはずなのに…
「一緒が、いいんだもん」
 ぽつりと落ちたその声に、再び落とされるため息は二つ。
「ほんっと、千鶴ってば薫に似てねぇよなぁ」
「薫の方が、もう少し要領良くやるんだろうけどね」
「…ごめんなさい」
 歪む視界に映るのは、やはり歪んだ空だった。
 揺れるブランコ、ジャングルジム、中央にスコップが刺さった砂場に滑り台。
 いやに遠くに聞こえた蝉の声と……
「じゃぁさ、薫連れてきて敵の役、やって貰おうぜ」
「君が言い出したんだから、責任持って説得してよね」
「…え?」
 差し出された二つの掌。
 四つの瞳。
 満面の笑みと苦笑い。
「へーすけ…君?そーじ君?」
「ほらほら、さっさと行かないと遊ぶ時間が無くなるって」
 差し出した掌を重ねる前に引っ張られ、千鶴は転がるように走り出す。
 向けられた背。
 自分よりも、ほんの少しだけ大きな背中。
 その瞬間に千鶴は悟る。
 
 別に、どうしても、シンセンジャーがやりたかったわけでも、正義の味方がやりたかったわけでも無かったし、村娘が嫌なわけでも、それこそ、道端の猫の役だって、本当はかまいはしなかった。
 共に居れればそれでよかった。
 それで良かったはずなのに、あんなにも…あんなにも、彼らと同じ事に執着したのは…


「もう、置いてかないで」


 呟く声に千鶴自身驚いて。けれど…


「もう。私を置いていかないで」


 溢れ出す涙は止める事など出来なくて…




「ふぅん?結局、お前はそっちを選ぶんだ」
 玄関の扉を開いた先の、薫が告げたその言葉の本当の意味を、その時の千鶴は、未だ…気付いてはいなかった。




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あとがき。

一個一個終わらせようかと思って、とりあえず書き上げたものは、甘さの欠片もなく、文章力もかなり微妙な代物でした(遠い目)
かつての記憶はないけれど、皆と共にいたいと願う千鶴と、何故、そんなにまでにして共に居たいのかわからない二人のお話です。
何故、それほどまでに一緒に居たいのかは、千鶴自身も解らず、薫だけがそれに気付いていて、今後、平穏な日々を過ごしていくのですが、高校に入り、かつての仲間とであった事で物語りは動き出す…みたいな。…いや、動き出しませんけど。
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