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朱色の刻

ゲーム「緋色の欠片」の二次創作小説ブログです。真珠をメインに守護者×珠紀を目指しています。他にも翡翠、悠久、VitaminXなど、NLオンリー乙女ゲーム中心に書いています。

12時過ぎのゼンマイ時計。(ガーネットクレイドルFD:美紅←サーリヤ)

2010-02-14-Sun-21:01



【12時過ぎのゼンマイ時計。】

(ガーネットクレイドル:美紅←サーリヤ)


※このお話しは、ガーネットクレイドルFD、理人ルートのネタバレを含みます。更に、思いつきのまま書きなぐったので文章が微妙です。
自己満足の一品ですので、それでもよろしい方だけ下へとおすすみください。






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「良かったんですの?お・う・じ」

 ふいに隣から聞こえたファラーシャの声に、サーリヤは豪奢…とは言っても、お菓子で出来た椅子なのだが…に、深々と腰掛けながら、見るともなしに天井へと視線を向けた。


 突然現れた、黒髪の双子。
 告げられたのは、今も尚、己を捕らえて話さぬ一人の少女が、とある王子のせいで笑顔を浮かべる事が出来ぬのだ…という事。
 最初はほんの気紛れで。
 見つけ、引き寄せ、囲い、そうして去っていったあの少女と、兄上と呼んでいた存在が一体今、どのような顔をしていて自分の前に現れるのか。それを見てみたいだけだった。
 そこに、何の打算も無いと言ったなら嘘にはなるが、それでも…
「王子―。王子ってば。そんな顔をするくらいでしたら、あのまま閉じ込めてしまえばよろしかったですのに」
 瞼を閉じ、その上に手のひらを当て、サーリヤはほんの僅かに口角を上げていく。
 再び出会う事の出来た少女に、サーリヤがサーリヤであった記憶は無く。
 ならば、もしかしたら、あの時からやり直せるのではないのだろうか…と、ほんの僅かに欲が浮かんだ。
 そう。それは悪戯をしかけるほどの、小さな…いつもであるならば見逃してしまいそうなほどの些細な欲求。
 だが…
「幸せではないのだと言っていたのだがな」
 記憶を取り戻し、再び目の前に現れた相手から告げられた、己の問いに対する答えは、決して正解とは言えなかった。それでも…
「兄上の隣でないと、あの笑顔を見る事は出来ないらしい」
 それは夢。
 それは今の己が見たものではなく。
 まがい物ではない太陽。
 輝く草木。
 闇はあれども、空には輝く数千の星。
 その中で、少女は黒猫であるサーリヤを抱き、確かに笑みを浮かべていた。
 だから…
「例え、夢であろうと…あの笑顔を見ていたいと思うのは可笑しな事か?」
 瞼を閉じても消えぬ影。
 夢の狭間であっても輝く光。
 望み、欲し、それは永遠に無くなる事はないのだろう。
 それでも…
 決して手に入らぬものだとしても、焦がれる気持ちを無くす事など、とうてい出来るはずもなく。

 手のひらを開く。
 揺らぐ天井。
 再び侵食する夢の狭間。
 永劫なる闇。

 そして…

「………アズラ…サヤラーン」

 少女の名を紡ぐ事無く、たった一つの音を胸に抱いた。



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あとがき。

サーリヤがやばいです。どのルートでも、サーリヤがせつな過ぎてやばいんです。この人、本当、幸せにしてあげてください。強がりながらも、眉を下げて笑うところとか「サーリヤァァッ!」となってしまうんで。
理人も楓も美紅が欲しくて仕方がないんだろうなとは思うんですけど、なんだろう。サーリヤはね。諦めて…というか、欲しくなんて無いと自分自身を騙してしまいそうな所がね。うん。
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