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朱色の刻

ゲーム「緋色の欠片」の二次創作小説ブログです。真珠をメインに守護者×珠紀を目指しています。他にも翡翠、悠久、VitaminXなど、NLオンリー乙女ゲーム中心に書いています。

壊れかけた揺り籠(SYK:玉龍×玄奘)

2010-05-24-Mon-23:11




【壊れかけた揺り籠。】


(SYK:玉龍×玄奘)


※注意※
このお話しは、SYK FDネタです。
ネタバレをすると、FDの中の玉龍が玄奘の腕を抑えて、某キャラからの指示(?)どおり、玄奘に実力行使(?)をしようとしている時のモシモバージョンデス。





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 触れ合うという事が、これほどまでに苦しいものだという事を、玄奘は今まで知らなかった。


「お師匠様…」

 囁きと共に耳に届く声。
 頬に触れる相手の熱。
 ゆうらりと揺れる室内の明かりは、二人分の影を色濃く壁へと映し出していた。
 きっかけがあるとすれば、この街へと立ち寄った事そのもので。だが、それだけであるのならば、ここまで物事は大きな事になっていなかったのではないのだろうかと玄奘は思っている。
 一目惚れなのだと告げられて、断れば、困っているのだと縋られた。
 悪い存在には見えなかったし、そもそも、自分達が旅をしている理由が徳を積むためであるのなら、それを断わる理由も見つからず、嫌な予感がしながらも引き受けた。
 そう、きっとそれが間違い。
 そんな事は、とっくに解っていた…のだ。
 けれど…
 身から出た錆。
 自業自得。
 いくつもの言葉が脳裏に浮かび、そのたびに、冷静になり得ない現状が言葉の端消えていく。
 蝋燭の明りによって影を帯びる相手の表情。
 背に当たる木製の壁。
 彼らしくない行動のその裏に、一体誰のどんな思惑があるのかは、玄奘が知る事はないのだけれど、玉龍一人の考えで、このような状況になっているわけではないのだろう事くらいは察する事が出来る。
 玉龍は、こんな事をする存在ではない。
 瞬きと共に、吐息を零す。
 それは、決して玄奘が今、嫌がっているとか、そんな問題ではなく…
 唇に触れる相手の吐息。
 間近で見える玉龍の眼差しは、壁に追い詰められ、あと少しもすれば口付けをしてしまうだろう状況にもかかわらず、どこまでも澄んでいた。
 そう。違う…のだ。
 自分とは、違う。
 自分の想いをは、違う。
 追い詰められながらも、近い距離に胸をときめかせ、怯えながらも、それでも、触れたいと願う。一般的に邪と呼ばれるであろう、誰もが持つその感情を、目の前の存在だけは持ちはしない。
 
「玉龍」
 玄奘は胸の痛みを必死に隠し、相手を見つめたまま瞳を細める。
 経典を巡る旅を終え、共に居る存在として、玉龍を求めた。
 それは、仲間…だとか、己を慕ってくれる存在を手放せなかったから…などと、そんなものではなく、ただ、ひとえに、玄奘こそが玉龍を手放す事が出来なかったためだ。
 この想いと玉龍が自分を求める想いに差がある事は解っていた。
 けれど、今までは共に居る事が嬉しかったから。
 側に居続ける事が嬉しかったから。
 例え、向ける想いが違ったとしても、それで満足できたのだ。
 それなのに…
「お師匠様、泣いてるの?そんなに、嫌?」
「…いいえ」
 戸惑うように止まる相手の動き。
 離れようとするその頬へと玄奘は手を伸ばす。
 嫌ではない。
 嫌なわけが無い。
 玉龍の想いがどうであれ、玄奘の持つソレは紛れも無く相手が欲しいと求める恋愛感情。
 触れるのは、嬉しい。
 口付け出来るのも、きっと嬉しい。
 だからこそ…
「玉龍。貴方は、私を…」


 この、胸の痛みを、彼は知らない。
 口づける事が出来る喜びを、彼は、知らない。
 泣きたくなるほどに、相手を恋う事など、きっと彼は知ることはない。

 触れれば触れるほどに思い知らされたその距離を、縮める術など見出せなくて…



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あとがき。

いや、FDだと、このシーンはキスしませんが、もし、キスしたら玄奘は自分と相手の想いの差に苦しくなるんじゃないかと妄想して書いてみました。プレイ後に、妄想のまま書いたので、文章が微妙に変です。
すみません。

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