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朱色の刻

ゲーム「緋色の欠片」の二次創作小説ブログです。真珠をメインに守護者×珠紀を目指しています。他にも翡翠、悠久、VitaminXなど、NLオンリー乙女ゲーム中心に書いています。

【始恋-ハツコイ-】(SRX:第五世代ネタ)

2011-04-08-Fri-03:49
【始恋-第五世代ネタ-】

登場人物:ヒジリ・ユキ

※注意※

このお話+登場人物は、オフィシャル様とは一切関係ありません。第五世代がこんなキャラだったらいいなーという、朱音。の妄想により作られたお話です。
なので、今後、オフィシャルの方で第五世代が出てきたとしても、ソレはソレでスルーしていただければ幸いです。






 それを、予感…と人は言うのだろうか。
 なんとはなしに、窓の外を見つめ。
 なんとはなしに、見える景色の、更に向こう側へと意識を向けた。
 なんとはなしに、いつもならば見過ごす人影を気に留めて。
 なんとはなしに、その存在を心に留めた。

 その時の想いが、既に恋であったなどと言うつもりはない。
 ただ…

 そう、ただ…


【始恋-ハツコイ-】

「ねぇねぇ、ヒジリ」
 雑音にしか聞こえない蝉の声。
 半そでから出た両腕をジリジリと焼く太陽の光。
 室内にもかかわらず、じっとりと染み出す汗を不快に感じつつ、ヒジリは手に持っている本から目をそらさずに、重い、重い、息を吐いた。
 場所は、五人のライダーが集められ、勉強…と言っていいのだろうか。…が行われる教室…らしき場所。
 らしき…というのは、そこがプレハブで作られているためである。
低い天井と狭い室内。かろうじて窓がある事が救いと言えば救いなのだろう。沖縄という場所にもかかわらず、しかも、夏という季節にもかかわらず、この、【教室】にある冷房設備は、一昔前の一般家庭の夏の主役、妙に古臭い型の扇風機が一台だけだった。
本来ならばライダーであるヒジリ達は選ばれた存在として、設備的にも優遇されるはずなのだが、前世代の戦いにより破壊された場所は学び舎だけではなく、本部・住居も共に破壊されていたため、重要性の低い学び舎の修復は後回しにされていた。
少なくとも、部屋に戻ればこの暑さから逃れる事は出来るものの、いかんせん、今は教師の居ない自習とはいえ、授業中。エスケープをするほど不真面目ではないヒジリは、この、茹だるような熱気の中、ただただ、読書という行為で時間を潰していた…わけなの…だが。
「ねぇ、ヒジリ。俺の話。聞いてるの?」
再度紡がれたその音に、いっそ、エスケープした方がまだマシだったのかもしれないと、ヒジリは煩そうに文字を追っていた視線を上げる。
 声からして、誰…なのかは気付いていた。そもそも、この教室内には五人しかおらず。各々が好き勝手な事をやる中で、煩がられると解っていながらも、ヒジリに話しかけてくる存在なんて、たった一人しか知らなかったから。
「ユキ。煩い」
「えー?。開口一番が、ソレ?」
不満そうな口ぶり。に反して、目の前の存在は緑色の大きな瞳をキラキラさせながら、にっこりと笑みを浮かべていた。
ヒジリよりも三つも年上にもかかわらず、同い年くらいに見えるのは、彼が童顔な事もあるのだろうが、その行動、口調が幼いせいもあるのだろう。現に、ヒジリの机の上に腕を置き、その上に自分自身の顎を置いて、ヒジリを見上げるその姿は、明らかにヒジリと同い年…もしくは、1、2歳年上にしか見えない。
「………」
 とにもかくにも、彼…ユキに声をかけられてしまっては、ヒジリにこれ以上、本を読む時間が与えられるわけもなく。
「まぁ、別にいいけどさ。でもでも、ちょっと聞いてよ。大ニュースなんだってば」
 不機嫌そうな色を隠そうともしないヒジリを気にするでもなく、ユキの口から言葉が飛び出す。
そう、いつもの事なのだ。
 ヒジリだって、以前は徹底的に無視を決め込んだり、なんとか逃れようとしてみたりした事もあったのだ。しかし、話を聞いてないと知れば、何度も声をかけてくるくらいならば、可愛いほうで、なんとかヒジリに聞かせようと本の上に手を置く。本を奪う。はては、ヒジリの頬を挟み、強引に上へと向かせるくらいの事はする相手なのだ。
 元より面倒な事が嫌いなためか、早々に抗う事を諦めた。
 相手は話しさえ聞いてもらえれば満足なのだ。
「別に俺は聞きたくないケド」
 それでも言ってしまうのは、素直に従っているように思われたくないから。
 自分自身でも子供っぽいとは思うものの、いくら、大人びていると言われようとも、実際子供なのだから、そこは勘弁して欲しい。
「まぁまぁ、そんな事言わないでよ。本当に、大ニュースなんだからさ」
 もう、何度目かになる大ニュースにヒジリは深く息を落とす。
 今までの彼との会話から、ヒジリが興味を持つような大ニュースを聞いた事がなかった。恐らく今回もそうなのであろうと確信し、ヒジリは聞いているフリを決め込みながら窓の外へと視線を向ける。
こうなってしまえば、もはや後は聞くことだけで。
「早く言えば」
 話しさえ聞けば相手は満足するのだろうと、言葉の先を促した。
「………で…………の、……さ」
身振り手振りで大きく説明するユキの動きを感じつつ、なんとはなしに空を見る。真上まで登った太陽は、更に熱を発するようにギラギラと光を発し、それに気圧されぬように色を増している青い空。
質感のある真っ白な雲は、そのうち夕立という雨を降らせるのだろうが、今はその前兆すら見えなかった。
ここ…琉球RAGに来てから初めての夏。
ライダーに選ばれて、サブスタンスと対面し…けれど、皆が言う戦いなどとはまったく無縁で。
もしかしたら、このまま無為に時間が過ぎていくのかもしれない。最近はそんな事すら思うようになっている。
自分達は何のためにここに居るのか。
 それは、毎日の授業で教え込まれてはいたけれど、でも…
「…て、ことらしいんだよっ!ね、大ニュースでしょ?」
「あ、聞いてなかった」
「ヒジリっ!!」
 しまった…と思ったのは一瞬。
 頷き、「そうだな」と言葉を返せば相手はそれで満足する。それが解っていたのに。
 あぁ、これでまた話しが長くなる。そう、思い。けれど…
「あ、ほら。噂をすれば…」
 文句を言いかけていたユキの指が、何かを見つけたのかヒジリの前を横切って、窓の外を真っ直ぐ指した。
 明らかに、先ほどのヒジリが見ていた場所とは違う場所。
 茶色い大地。緑の木。その向こう側に伸びる、コンクリートの通路が一本。
 ヒジリ達が良く知る存在のその後ろをゆっくりと歩く影一つ。
 茶色の髪に、細い肢体。
「女?」
 問う声に、すぐ近くから同意を示す声が聞こえ。
「だから、さっきから言っているじゃない。僕達の新しい教官は………」



 確かに、その時はそれだけだった。
 新しい教官は女であるのだと、ユキに告げられる前から知らされてはいたけれど、遠目に見ても、それは少女と呼ぶべき年齢で。
 飾りなのかと息を落とし。
 結局自分達は何なのかと改めて落胆し。

 なのに…

『ヒジリ君』

 笑みを向けられ、名を呼ばれ。
 いつの間にか視線で追った。

 それが、苦しいだけの恋の始まりだったなんて。



 その時の自分は、まだ、気付くことすら、出来なかった。



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あとがき。

久々なため、文章が微妙です。久々なのに、SRX妄想ネタです。
ユキは16歳。カフェオレカラーな髪の毛と、緑色の瞳を持つライダーの一人です。性格は、好奇心旺盛。社交的。けれど、時折毒を言います。悪気はないと見せかけて、悪気があるキャラ。人懐っこい自分を作って見せている性格の悪いキャラです。
…しかし、文章が本当に微妙で。書いていなかったせいで、色々なものが壊れまくってます。
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