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朱色の刻

ゲーム「緋色の欠片」の二次創作小説ブログです。真珠をメインに守護者×珠紀を目指しています。他にも翡翠、悠久、VitaminXなど、NLオンリー乙女ゲーム中心に書いています。

【鴉と時計の在り方、とは。】緋色PS3発売記念カウントダウン当日

2011-05-26-Thu-06:10





【鴉と時計の在り方、とは。】

(真弘×珠紀)


緋色の欠片PS3発売記念カウントダウンSS 2日前…の予定が当日になっちゃったよ。ばーじょん。







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 あの人のどこが好きかと問われたら、きっと全部と答えるに違いない。
 あの人のどこが嫌いかと問われたら、きっと全部と答えるに違いない。


 真っ白なカーテンがゆらりと揺れて、消毒薬臭い室内の空気を揺らす。
 耳に届くのは、窓の外。部活動に勤しむ若者たちの張りのある掛け声。
 けれど、距離があるせいなのだろう。不思議と耳触りとは感じず、むしろ、聞き入るように瞳を細めた。
 季節は、春…と言うには遅く。夏、と呼ぶには早い六月。
 ここ数日の雨は形を潜め、からりとした青空が空に広がっていた。
 数少ないチャンネルで、天気を告げるお天気お姉さんが語るには、全国的に青空が広がるでしょうとの事。
 行楽には持って来い。
 むしろ、こんな日は外に出ないほうが損…だとも告げていた。
 事実、こんな日は、やはり屋内に居るよりも、外に出たほうが良いと思うし、きっと外で心地良い風の中を歩くのは心地良いとも、そう思う。
 けれど…
「……先輩」
 珠紀は小さく言葉を発し、一歩室内へと踏み込んだ。
 大きく揺れるカーテンが、幾つかある簡素なベッドの上を大きく撫でる。

 今年の春、愛しい人たちが、この学校を巣立っていった。
 ある人は、村の外の学校へ。
 また、ある人は村の中に居つつも前よりも共に居る時間が減っていた。
 それは、年を取る事によって必ず起きなくてはならない別れ。…いや、別れと言っても永遠に会えないわけではないのだけれど、でも、常に隣に居た存在が居ると居ないとでは大きな違いだ。
 特に、側に居るけれど常に側に居ない彼の人は、恋人同士…という間柄ゆえか尚更離れている時間が大きく感じられ…
「先輩」
 だから、なのかもしれない。

 傾かぬ太陽。
 眩しい日差し。
 耳に届く音。
 けれど、聞こえぬ声。
 真っ白なカーテン。
 真っ白なシーツ。
 真っ白な布団。
 消毒薬の香り。

 どこか、現実味のないその世界は、本来ならば卒業した相手が居るような、そんな場所ではないはずで。
 でも…
「先輩」
 一歩、一歩と足を進め、唯一膨らむ布団の中には愛しい人の寝顔が見えた。

 待ち合わせをしていたわけではない。
 連絡があったわけでもない。
 でも、珠紀はここに来て、彼はここに居た。

「嫌い」

 呟く声に瞼は開かず。

「嘘です。好きです」

 囁く言葉に瞼は開かず。


 会いたくて。会いたくて。でも、会いたいとは言えなくて。
 忙しいだろうからと自分に言い訳をしながら、納得させて落ち込んで。
 そうして我慢しているのに、あっさりと、珠紀の前に現れて。

 しかも、こんな、居そうもない場所で。更には珠紀が来た事にすら気づかず眠り込み。

 大きく揺れたカーテンは、ついには珠紀をも飲み込んだ。



「お前こそ、俺がどれほど好きか知らねぇくせに」




 耳に届いたその意味を、姫は口づけと共に思い知る。
 鴉の想いは姫には届かず、姫の想いに鴉は酔った。



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あとがき。

緋色の欠片PS3発売おめでとうございますっ!!!!というわけで、仕事によってカウントダウンが当日にずれ込み…いや、カウントダウンしている段階から、実は、日付間違えていたとか、そんなそんな…orz
でも、守護者は全員ssを書くことができましたっ。
え?今回は真弘先輩の好きな箇所を書いていないって?………いや、だって、先輩は、どこが…というよりも、全部好きなので。先輩が先輩であるだけで、もう、愛しているので。
先輩を形取る全てが好きなのです。…なので、こうなりました。
真弘先輩は珠紀が本当に好きで、でも、好きだって事を珠紀に気付いて貰えてないと萌えます。先輩は、本当に好きなんですけど、でも、珠紀は自分のが先輩を好きだと思っています。先輩の、悔しいくらいのタイミングの良さが愛しくて仕方がありません。

ともかく、緋色PS3発売おめでとうございますーっ!!
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