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朱色の刻

ゲーム「緋色の欠片」の二次創作小説ブログです。真珠をメインに守護者×珠紀を目指しています。他にも翡翠、悠久、VitaminXなど、NLオンリー乙女ゲーム中心に書いています。

夏の暑さとかき氷の関係について。(緋色:真弘×珠紀)

2012-05-21-Mon-22:57



【夏の暑さとかき氷の関係について】



(緋色の欠片:真弘×珠紀)


※注意※
このお話しは、突発的に書きなぐったお話しになります。かき氷の「か」の字も出てきません。
でも、タイトルはかき氷が入ってます。
文章が変かもしれませんが、落書き的な感じに生暖かくみ守れる方のみ、下へお進みください。







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 もし、もしも…だ。
 きっと聞かれる事はないだろうけれど、それでも、万が一、聞かれることがあったとするなら。

 自分は【全部】と答えるだろう。




「…て、ぉい」
 強すぎる日差し。
 暑すぎる外気。
 一歩足を踏みだせば、すぐにでも額から落ちてくる汗。
 不快指数百二十パーセントのこの時期に、何も好き好んで昼の…そう。一日において、一番暑い時間帯に出歩く馬鹿はそうそうこの世に存在してはいないだろう。
 それこそ、仕事だ…とか。どうしても断れない約束がある…だとか。そうでなければ、家。もしくは涼しい場所でじっとしていたいと思うはず。
 少なくとも、真弘はそう思っていた。
 だから、今日…猛暑と呼ぶべき七月某日。真っ青な空と、存在感がありすぎる入道雲。ミンミンと煩い蝉の声を耳にした瞬間、真弘は今日一日は家に居ようと。
 そう。家に居て、扇風機でも回しながら昼寝でもしてようと、そう、思っていたのに。

 つぅ…と額から落ちる汗。
 平成と名のつく時代にしては古びた黒いダイヤル式の電話が鳴って、暑いだるい誰だとか思いながら電話に出て、けれど、受話器の向こうから聞こえた声に、悩む間もなく頷いた自分ははたから見たら滑稽だろうと、そう思う。
 更には、仕方がねぇなとか呟きながら、焼けたアスファルトを踏みしめて、更には速足。ついには小走り。最終的には力まで使って宇賀谷家まで来た自分は、さぞ…さぞ、滑稽だろうと。
 けれど。
「…ぉい。珠紀」
 走っていた時から落ちてくる汗は、立ち止れば更に額から落ちてきた。
 濡れて湿った髪を手のひら全体で後ろに流し、それでも落ちてくるサイドの髪に無意識に眉間に皺が寄る。
 間違えないでほしい。
 これは、髪の毛が邪魔なための不機嫌だ。
 決して…決して、呼び出しておきながら、いざ到着してみれば自分の部屋で心地よさそうにすやすや寝ている少女への怒りではない。
 断じてない。
 断じてない…が。
「…コノヤロウ」
 恨み言くらいは言っても罰は当たらないのではないだろうか。

『先輩。逢いたいです』

 好きで惚れていて愛していて。つまりは、可愛くて仕方がない相手に電話口でそんな事を言われれば、ひょいひょい出向いてしまうのは悲しいかな。男の性で。

 後ろ手にぴしゃりと襖を閉めれば、冷えた…とは言い難い、それでも、扇風機に乗って外気よりはマシな風が肌を撫でる。
 部屋の中央には横向きになり、ご丁寧に腹にはタオルケットをかけて眠る一人の少女。
 口角が上がっている所を見れば、たいそう良い夢でも見ているのだろう。
「珠紀」
 名を読んでみる。
 返事は無い。ただの眠り人のようだ。
「なんだそりゃ」
 思わず一人突っ込みをしつつ、足音を忍ばせて少女に近づく。
 首ふり扇風機がこちらを向くたびに、少女の茶色い髪の表面が浮かび上がってはパタリと落ちる。
 浮かび上がっては。
 パタリと落ちた。
 キシリ
 軋んだ畳。
 膝を曲げてヤンキー座りをしても、眠る少女は目覚めない。
 覗き込み、影を作ってみても、眠る少女は目覚めない。
「おい。珠紀」
 声をかけ、髪に触れてみても、眠る少女は目覚めない。
 前髪を指で掬う。
 軽くひっぱる。
 眉毛の表面を撫でてみる。
 柔らかな頬に触れてみる。
 鼻をつまみ。
 眉間に寄った皺に笑みがこぼれる。
「起きろ」
 言葉に反して声を潜め。
「起きろっつってんだろうが」
 言葉に反して笑みが広がる。
 むずがる動きに、鼻をつまんでいた指を離し、代わりに頬をゆっくり撫でて。
「…せんぱぁい」
「た…ぁ、な!?」
 細い指がゆるりと絡む。
 触れた個所は掌だけで。
 けれど、しっかと合わさる皮膚は。
「お、起き…起きて…っ!ねぇのかよっ!」
 閉じた瞼はピクリとも動かず。
 再び零れた規則正しい少女の寝息。
 彼女のお供には己の右腕。
 もちろん、逃れる事は出来なくて。

 汗ばむ肌に、扇風機の風が撫でては消える。
 暑いのか涼しいのか。いや、暑いのか。
 強引に外そうと思えば外せる腕は、ずっと少女に握られたまま。

 暑い。暑い。暑い。…いや。熱い。

 理不尽な要求。
 けれど嫌えない。仕方ない。
 我がままだけど愛らしく。
 生意気だけど、泣き虫で。


 どこが好きか。
 そんな事は決まっている。
 全部。全部だ。全部以外言い様がない。

 だから、振り回される。
 悔しいけれど、それが真実。

「なぁ、珠紀」

 それでも、やられっぱなしは男がすたる。
 だからほんの少しだけ。
「ご褒美くらいは貰ってもいいだろ?」
 眠る相手に影を作り。
 握られた腕に力を込めて。
 気づかれぬよう。
 起こさぬように。
 少女の吐息を静かに奪った。



 太陽は真上。
 空は真っ青。
 綿あめのような雲。
 やけつくようなアスファルト。
 
 けれど、扇風機の風だけは、とてもとても心地良く。





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あとがき。

こんばんは。お久しぶりです。そして、落書き…みたいなものですが、読んでくださってありがとうございます。
なんというか、夏の縁日とかで、かき氷をほおばると、頭がキーンとするじゃないですか。そんなイメージだったので↑のタイトルとなりました。
えぇ。かき氷出てきてないですが、でも、きーんという感じという感じなので(なんじゃ)
あれですね、寝る子となんとかには勝てない…というじゃないですか。先輩は、振り回されてなんぼだと思うんです。でも、めずらしく、格好良い先輩も書きたいなと思ったので、最後に珍しく(重要なので2回)珍しく(さらにもう一回)先輩がキスを盗んでしまいました。
…うん。そんな、寝ている相手じゃないとキスできないだなんて、そんなそんな。…そのうち、ちゃんと格好良い先輩が書けたらいいと思います。
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