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朱色の刻

ゲーム「緋色の欠片」の二次創作小説ブログです。真珠をメインに守護者×珠紀を目指しています。他にも翡翠、悠久、VitaminXなど、NLオンリー乙女ゲーム中心に書いています。

譲れないもの。(拓磨×珠紀←真弘)

2007-02-07-Wed-02:16
 一番近くに居るような錯覚。
 告げられる言葉。
 交わされる会話。
 些細な日常の一つから広がる世界。

 クラスも違えば、学年も違う。
 その場所、その時間は…彼女と共に居ることが出来る、たった一つの繋がり…



 さっきまでは自分を見つめていたその眼差しが、たった一言で、違う存在へと向けられる苦痛。
 まざまざと見せ付けられる、それは…
 大事な…大事な後輩と、少女との関係。
 握り締める手のひらは爪が食い込み、眉間に寄った皺は取れる事はない。
 
「真弘」

 静かな声で名を呼ばれるが、答える事はせずに…
 真弘は屋上の扉まで歩み寄った。
 鉄の扉の向こう。
 小さな己の背丈程の高さにある磨りガラスに浮かぶのは…


 ダァン


 たわむ扉。
 打ち付けた足の向こうで、影が僅かに動き…
「てめっ!拓磨ァ!いんだろ、そこにっ!」
 大人げないとは解っている。
 好きな、大事な人同士がくっついたのだ。
 暖かく応援してやればいい。
 その背を押してやればいい…
 日頃の真弘ならばそう思ったし、そうした。
 だが…
「何してやがるっ!皆の屋上を汚すんじゃねぇっ!」
 小学生かよ…と、自分で自分につっこみを入れながら、更にもう一蹴り。
 大事な後輩だった。
 大切な後輩だった。
 だが…譲れない事もある。
 
 カチリと鳴る音と、去っていく足音に足を下ろし…
「慎司ィ!」
「はいっ!」
 名を呼んだと同時に走り寄ってくる慎司の肩に真弘は腕を置き…
「解ってるな?」
「………はい」
 迷うそぶりなく、しっかりと頷く少年。
 真弘は口角をゆっくり上げて笑みを浮かべ…
「軟化、軽化!」
 屋上に響く、少年の透き通った声。
 真弘が再び足を上げ…だが、その足を扉へと落とす前に枠ごと扉が外れ…
「力加減を間違えた」
 後ろから聞こえたのは、親友の声。
 ぷすぷすと中央に黒煙を上げる扉は、そのまま階段を滑り落ち、壁にあたって止まっており…
 拓磨にとっての誤算は、きっと、敵が真弘だけと思っている事。
 一見大人しく見えるものの、慎司も祐一もやる時はやる。
 それが、大切な彼女が絡むならば尚更…
「壊したのは、祐一な?」
「俺は何もしていない」
「そうですよ、僕、そういえば、拓磨さんが扉を蹴っていたのを見た記憶が」
 さらりと嘘を言うのは、一番大人しく見える少年。
 階段を一段一段下りながら、三人並び教室に向かった。


 その日の放課後、何故か職員室に呼び出され拓磨は、少年3人、少女1人の下校姿を職員室の窓から見たとか、見ないとか…


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あとがき。

拓磨VS真弘先輩です。
微妙ですねぇ。うわー、なんというか。もう、これに関しては、コメントは控えさせていただきます。
けれど、一言だけ。慎司君……(ニヤリ)
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