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朱色の刻

ゲーム「緋色の欠片」の二次創作小説ブログです。真珠をメインに守護者×珠紀を目指しています。他にも翡翠、悠久、VitaminXなど、NLオンリー乙女ゲーム中心に書いています。

とある日の一場面。(珠紀ハーレム)

2007-02-07-Wed-02:25
「一つ、お願いがあるんですが」
 ある日、珠紀の目の前に現れた、大蛇は唐突にそう切り出した。


※※※


 それは、全てが終わり、皆が皆、平穏な学園生活を謳歌しはじめた…そんな日だった。
 それぞれの守護者…真弘、拓磨、祐一、慎司、遼の元へと届いた、一枚の紙切れ。
 そこには、達筆な筆文字で「招待状」と書かれており、その文面をしっかりと読むと、大蛇宅へと集まるようにと記されていた。
 もちろん、祐一、慎司はさておき、その他の3人が集まる事などないだろう…そう、思ってしまいがちなのだが、そこは守護者の年長者。学生時代には生徒会長も務めたことのある彼である。
 しっかりと、保険をかけており…

『珠紀さんもいらっしゃるので、ぜひ、皆さんも来てくださいね』

 締めとばかりに使われた少女の名は、問題児3人にも例外なくよく利いた。
 期間にすれば、短く…だが、共に戦い、運命を共にした日々は、何者にも代え難いほどに深かった。
 皆が皆、少女に好意を持つほどに…
 結局、少女は誰も選ばず、だが、親元には戻らずにこの村に居る。
 …つまりは、自分が行かないうちに、誰かに抜け駆けされ、かっさわれたらたまらん…というのが、皆の共通の意見である。

 5人が通されたのは、広い屋敷の広い居間。
 中央の机の上には、入れたばかりなのだろう。
 湯気を立てる日本茶と、その横に鎮座しているゴマ大福。
 5人は真横に並ぶと、正座、胡坐、体育座り等、思い思いの体勢で、ここには居ない大蛇を待った。
 一部、例外は居るものの、その表情は硬く…
「おまたせいたしました」
 ガラガラと、何か、台車のようなものを押す音が聞こえ、開く襖。
 満面の笑みを浮かべた大蛇は、いっせいにこちらを向く五人を順に見つめた。
 予想通り、誰一人として欠ける事はない。
 いや、欠けぬようにと前々から準備をしていたのだが…
「一体、何の用だ」
 大蛇の次に続く言葉を、皆が待つ中、一人だけフライングをしたのは、守護者であって守護者ではない守護者。狗谷 遼であった。
 そもそも、緊張する守護者に比べ、彼だけはいつもと変わりはなかった。
 それは、守護者として自覚していなかった期間が長かったというせいもあるが…
「ぁぁぁ、狗谷さん、大蛇さんにタメ口してますよ」
「何も言うな。慎司。今、つっこんだらとばっちりが俺たちにまで飛ぶぞ」
 ぽそぽそと会話を交わすのは、慎司と拓磨。
 焦る慎司に比べ、拓磨は身を守る事を最優先に置いたのか、遼と大蛇、二人の会話に割り込む事はしない。
 もちろん、それは祐一…はさておき、大蛇の怖さを一番良くしっている真弘とて例外はなく…
 固唾を飲んで見守る4人を横目に、遼に近寄る大蛇。
「いえ、多分…そちらの4人は、おおよそ検討がついているとは思いますが…」
 チラと無言の4人を見ると、ゆっくりと細まる眼差し。
 瞬間、冷える室内の空気。
 寮は、何故か腕にたったサブイボを手のひらで擦り…
「…今日、学校の校長先生に呼ばれたんですよ」
 ビクリと肩が揺れたのは真弘である。
「それがどうした」
「いえね、もうすぐテストの時期ではあるんですが…数人程、出席日数が危険な人がいらっしゃいましてね」
 拓磨がわざとらしく視線を湯呑へと落とし…
「もちろん、成績は良いんですが授業中に寝ていたり、積極性が足りなかったり…等している方もちらほらと…」
 更に、祐一が湯を飲み、慎司が青い顔をして俯く。
 ぽむり…と遼の肩に置かれる手。
「あなた…出席日数どころか、違うクラスに入り浸っているらしいじゃないですか」
「授業は受けている」
 悪びれず告げた遼に焦ったような眼差しを向ける4人。
 だが…
「別のクラスで授業を受けても、出席日数が足されるわけではないんですよ?それとも、何ですか?あなたは、自分のクラスで出席をとっている時は、きちんと教室に戻っていたとでも?」
 大蛇の顔には、変わらない笑みが浮かんでいる。
 浮かんでいるが…目は、真剣そのものでした。
 遼の肩に食い込む指。
 一見ひ弱そうに見えるものの、やはり守護者、その握力は強く、遼の眉間に皺が寄っていく。
「狗谷君は初めてですが、その他の方々はこれが始めてでは…」
 ありませんよね?…と、告げられる声と同時に、大蛇はとある一角を見詰める。
 机の前では…ない。
 どちらかというと、襖に近く、這うように動くその人影は…
「鴉取君、どうしましたか?」
「や、ぁー、あー…あれだ。トイレに」
「ここに来てすぐに、行きましたよね?」
「なんで知って…じゃねえ、そう、今度は大きいヤ……ぁー、スンマセン」
 大蛇はゆっくりと遼の肩から手を離すと、謝罪する真弘に笑みを送り…
「まあ、鴉取君も…今回は、閉じ込めて勉強させようなんて、そんな、疲れる事はしないから安心してください」
「キタキツネの旅、再放送に間に合うように帰れるのか?」
「ええ。話しさえ終れば、すぐに帰って頂いてかまいませんよ」
 今まで黙っていた…否、寝ていた祐一の声に、大蛇は穏やかに、だが、はっきりと頷き…踵を返すと、襖の向こう。廊下に出る。
 そこには、どうやって運び入れたのか一台のリヤカーと…その荷台には白い布の被った大きな荷物が。
「私も、色々と勉強しました。確かに、テストで良い点を取れば、進級…もしくは、卒業出来ると言われても、貴方達は進級も卒業もさして興味が無いのは、前回の勉強会の時に実感いたしましたし」
 そう、以前も似たような事があった。
 それは、鬼斬丸が破壊される前。
 遼が未だいなかったときの事だが、嫌がり逃げ回る守護者を巧妙な罠で落とし強引に勉強させた事は記憶に新しく、無事、皆平均点以上は取れたものの、多大な疲れを大蛇に残す結果となった。
 あの時のような思いは二度としたくなくて…今回は、しっかりと手はうっておいた。
 大蛇は、白い布に手を伸ばし…
「なので、今度は趣向を変えようと思います」
 バサリ…と、白い布が舞う。
 まず見えたのが、茶色い糸。
 それが人の髪だと気づいた頃には、隠れていたその姿が露になり…
『珠紀(さん)!?』
 見事にはもった5人の声に、知らずにんまりとする大蛇。
 珠紀はと言うと、少し困ったような表情で…だが、声は出さずにリヤカーの荷台に座っている。
 いや、声が出せなかったのだ。
 白い布で覆われた唇。一般的に猿轡とよばれるそれをされている少女は、いつもの制服姿ではなく…
「お、おおおおおおまっ、な、なんて格好!」
 おそらく、100人の男性に聞いてみれば、80人程はそれがロマンだと答えるだろう。
 体のラインを完全に覆い隠す、白い布…と呼ばれる男物のYシャツ。
 胸の前で組まれている手首には、ピンク色のリボンがかかっており、その動きを拘束している。
「大蛇さん、何て事を」
 一言で言うなら、食べてください的なその格好は、あるものは頬を赤くさせ、またあるものは、視線を泳がせ、またあるものはまじまじと見詰め、またあるものは何かを企んでいるような笑みを浮かべ…そして…
「どうすればいいんだ?」
 表情は変わらないものの、どこか面白がるような色を瞳に浮かべて遼は問う。
 大蛇は、再び珠紀の頭から白い布をかぶせると、未だ注目を集める珠紀をチラと見てから、微笑み…
「次のテストで、5教科最高得点をたたき出した方に…この、珠紀さんと一夜を共に…」
 大蛇の言葉が終るか終らないかのうちに、隣を通り過ぎていく遼。
「覚悟しておけよ、珠紀」
 真っ白の塊に向かって声をかけながらその場を後にする。
「先輩、僕が守りますからっ」
「安心していい、俺も参加する」
「………何やってんだよ、オマエは」
 続いて、慎司、祐一、拓磨。
「………ぁー……とりあえず、待ってろよ?」
 妙に勘違いした発言をしながら、最後に部屋を出て行くのは真弘。
 見事無人になった室内を見ながら、大蛇は再び白い布を取る。
 向けられた、困ったような眼差しに笑いながら、少女の口元を覆う布を取り…
「珠紀さん、ご協力感謝します」
「でも、私…この下に普通に服着てますよ?」
 少し、力を入れれば解けてしまうリボン。
 同じ格好のまま座っていたせいか、固まっていた背を伸ばそうと、珠紀は伸びをし…
「ええ。まさか、本当に素肌に着ろというわけにも行きませんからね。けれど、おかげで、彼らもやる気が起きたようですし…」
 にこにこと、人の良い笑みを浮かべる彼が、先ほどと同じ人物なのだと、一体誰が信じるであろうか。
 残念な事に、今の彼は人の良い青年そのもので…
「それにしても、珠紀さん。本当に良いんですか?いえ…言ったのは私ですが…」
「はい。私、皆を信じてますからっ。それに、一緒に居たくらいで、どうにかなんてなりませんよ」
 いっそ爽やかな程に言い切った少女に、大蛇は己の額に手をあてたい衝動に駆られた。
 彼女は解っていない。
 皆が皆、彼女に好意を持っている事を…
 それこそ、油断すれば狼になる危険性大な青春まっさかりな少年だという事を…
 いや、知っていてしかけたのは自分なのだが…
「まぁ、貴女には決して悪いようにはいたしませんので」
 狼にさせないための策は、もう練ってある。
 大蛇は少女には決して見せないような、人の悪い笑みを浮かべ…


 テストまであと少し。
 はたして勝者はっ!
 そして、珠紀の運命は如何にっ!

 次回、「テスト後。嬉しはずかし青春時代」こうご期待っ!

===========================================
あとがき。

これは、優勝するのは誰だ!!と、アンケートを行いました。
結果は、優勝したのは真弘先輩なのですが、まだ、ご褒美SSは書いてません。…すみません。早く書きます。
途中までは書いてあるんですけどねぇ(だったら、早く書こう)
ちなみに、ご褒美に至るまでのSSは、「未分類」の「投票結果発表」と、「その他」の「(続)とある日の一場面 1」に載っていたりしています。
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COMMENT



2012-03-18-Sun-22:14
ナイスです!やっぱ携帯のサイト見て正解でした!また、じゃんじゃんだしてください!!!!!
まってます!本当にいい話しでした!

由香さまへ。

2007-09-11-Tue-22:25
こんばんはっ、そしてありがとうございますーっ。
こんなヘタレなギャグなのに(笑)
続きはですね、実は…

1:「拍手掲載SS」…「とある日の一場面」
2:「未分類」…投票結果発表!!【その1】
3:「未分類」…投票結果発表!!【その2】
4:「未分類」…投票結果発表!!【その3】
5:「未分類」…投票結果発表!!【その4】という名のSS
6:「未分類」…投票結果発表!!【その5】という名のSS
7:「未分類」…投票結果発表!!【その6】という名のSS
8:「その他」…(続)とある日の一場面1

で、書いていたりするので、読んでいただけると、朱音が泣いて喜ぶとか・・・
すみません、カテゴリばらばらで。
いつか、一緒にしようとは思っているんですが…
また、よろしければ遊びに来てくださいませ^^
コメントありがとうございましたー

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2007-09-11-Tue-21:16
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縛羅さまへ。

2007-02-09-Fri-02:31
こんばんは。いらっしゃいませー。
このお話しは、結構、個人的にもノリに乗って書いたものなので、ギャグ色が濃かったりするのですが、楽しんでいただけたみたいで良かったです。
何気に、珠紀はハーレム状態が素敵ですよねっ!
しかも、珠紀自信は、それほど意識していないのに、他の皆は珠紀を意識しまくり!!みたいな。

これからも、縛羅さまの期待にそえられるように、頑張っていきますので、また、ぜひとも遊びにきてくださいませー。
今回は、コメント、本当に有難うございました。

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2007-02-08-Thu-19:49
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