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朱色の刻

ゲーム「緋色の欠片」の二次創作小説ブログです。真珠をメインに守護者×珠紀を目指しています。他にも翡翠、悠久、VitaminXなど、NLオンリー乙女ゲーム中心に書いています。

霞。

2007-08-31-Fri-02:04
※注意※

 このSSは、以前アップしました『空疎。』の別パターンSSとなっております。
 ストーリー、場面は同じで、文面のみだけ違うという…
 意味ないじゃーんと思われても仕方が無い作品だったりするのですが、でもでも、読んでみたいとのお声がありましたので、恥をしのんでアップいたします。

手抜きとかじゃないんです、ただ、こう、同時進行で書いていったら、偶然2本出来てしまって(言い訳)


そんな作品ですが、それでもよろしければ、このまま↓へとお進みください。

尚、よみ終えた後の、苦情は受付ま…………す………


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【霞。】













 泣かせたいわけじゃない、傷つけたいわけじゃない。
 大事にしたくて、守りたくて。
 ただそれだけなのに…

「………簡単に、言うなよ」

 溢れる、感情。
 堰をきったように零れる言葉。
 憎しみ、憤り、負の感情が流れ出す。

 あの時…
 ロゴスとの戦いに負けたあの時、感覚など、とうに無くなっていた。
 痺れたかのように動かぬ両手両足、瞳を開いているにもかかわらず、真っ暗な視界に光は入らず、ただ…
 ただ、少女の声だけが耳に届いた。

 悔しくて、どうしようも無いくらい悔しくて。
 守るべきは自分のはずで、守られるべきは少女のはずで、解っているのに、動かぬ体はどうしようも出来なくて。
 いっそ、このまま殺してくれと、叫ぼうとした口ですら、傷のせいで声にする事も出来なくて。
 代わりに、口いっぱいに鉄の味が広がった。


「おまえに、何ができるんだよっ!」

 守ろうと、思っていた。
 守りたいと、思っていた。
 少女はただの少女で、不運にもこの村に来てしまって、けれど、何の力も無い、ただの少女だから、だから、自分が守ろうと…そう、思っていたのに。

「あれだけの敵を相手に!あれだけの力の差があって!おまえに何が出来るんだよ!」

 けれど、その身を持って、自分を…自分達を守ったのは少女。
 何の力も持たない、そこらへんに居そうな、ただの……

 壁を打ち付けた拳が、鈍い痛みを伝えてくる。
 握りこんだ少女の手首は、少し力を入れてしまえば、折れてしまう程細いのに。
「今度は私だって、強くなるから!」

 違う。

「どんなに難しい事だって、諦めるまで不可能じゃないよ!」

 違う。そんな事を望んでいるわけじゃない。

「だから………諦めないでよ」

 違うんだ。

 どこか、冷静な自分が声を発する。
 けれど、それは口から出る事は無く…

「俺は全力で戦ったんだ。それでも!それでも、女一人守れないんだぞっ!」

 こんな事を言いたいわけじゃない。
 オマエはもういいと。
 もう、頑張らなくてもいいと。
 これからは俺が守るからと…そう、言いたいのに。
 
「俺はおまえが思ってるような正義の味方でも、白馬の王子様でもないんだ!俺は……っ!」

 歪む眼差し、落ちる雫。
 泣かないでくれ。

 泣かないで欲しい。
 
 俺が、守るから。


 他の誰でもない、俺がオマエを………守りたかったんだ。






 痛む頬。
 ぶつける肩。
 口の中に広がる、鉄の味。
 落とされる眼差し。
 そして…


 月明かりが室内を照らしていた。
 同じ色を含む眼差しを向けられて、拓磨はそっと息をつく。


 指先は乾いたまま。
 少女の瞳は濡れたまま。


 何か言いたそうに揺れる眼差しを見ていられなくて、視線を反らす。


 守れるわけが…無い。


 相反する想い。
 自分の存在すら危うい世界の中で、誰が他人を守れるものか。

 けれど…

 再び動き出した時。
 ふいに耳に飛び込んでくる、虫の音。

 ゆっくりと立ち上がり、制服についた埃を落とす。

 ぎこちなく、零れる吐息。
 耳に届く嗚咽。





「……もう行くぞ、拓磨」




 促す声に一つ頷き、振り返らずに歩き出す。


 動き出した時。
 耳に届く鼓動。

 ふいに
流れ込んだ風の冷たさが
今、この瞬間が現実なのだと
そう、感じさせていた。




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あとがき。

これは、もしよろしければ、春華様に捧げます。
えぇと、返品も勿論可能ですので…
さて、このお話しは上でも書いたように、【空疎。】とまったく同じ場面の作品だったりします。
実は、時々、空疎でも使った文章とかあったりして、自分の語録の無さが恥ずかしい限りなんですが…
こうして、拓珠を書いていると、何ででしょう。真弘先輩や祐一先輩、遼に大蛇さん、慎司君。皆を書きたくて仕方がなくなります。
いつか、時間が出来た時に、また、オールキャラのSSとか書きたいなーと…
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COMMENT



春華さまへ。

2007-09-01-Sat-02:23

倒れちゃだめっ!倒れちゃだめですーっ!春華さまっ!!

こんな駄文でよろしければ、ぜひぜひ貰ってやってくださいー
もっと上手く書ければいいんですが、自分にはこれが、精一杯…
煮るなり焼くなり、お好きなようにー
そしてそして、い…いただけるんですかっ。
むしろ、悪い事をしてしまったような気が…
欲しいですよっ!
声を大にして、世界の中心で叫びますともっ。
ほーしーいーでーすー
でもでも、いいんですか?
春華さまの素敵文章をっ(どきどき)
頂いたら、間違いなく飾ってしまいますよ?
い、いいんですか?
うわぁ、楽しみですー

「空疎。」は、拓磨の暗い部分が、「霞。」は拓磨の珠紀への優しさが、そうなんですよーっ。
うわぁ、春華様の感想を聞いて、うんうんと何度も頷いてました。
そうなんですーっ
空疎と霞は拓磨の心の中の占める、本質が違うというか…
いや、本質は同じなんですけど、こう、容量が違うというか。
うわぁ、伝わっていて、本当に嬉しいですー

そうなんですよね、戦いがあって、それを乗り越えて、想いがあって、誰が…というよりも、皆がそれを感じていてっ。
確かに、好きなキャラは居るんですけど、でも、皆大好きなんですよねっ。

こ…言葉の魔術ですかっ。私なんて、まだまだ、ボキャブラリー貧困orzなうえに、使いまわしが多いので、全然ーっ。

同じような言葉しか書けてないです。もっと、引き出しを増やさなくてはと、日々精進です。

…て、書いているうちに、また長くっ。
すみませんー。ではでは、今回はこの辺で。

嬉しいお言葉、本当にありがとうございましたーっ!!

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2007-08-31-Fri-23:00
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