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朱色の刻

ゲーム「緋色の欠片」の二次創作小説ブログです。真珠をメインに守護者×珠紀を目指しています。他にも翡翠、悠久、VitaminXなど、NLオンリー乙女ゲーム中心に書いています。

プティフールSS(芽衣←悠太)【ゆきうさぎ】

2008-03-24-Mon-19:14




(プティフールSS)


【ゆきうさぎ。】

(芽衣←悠太)





「俺はね、本当は弱虫なんだ」

 少女の頬を両手で隠し、驚くその眼差しを視界に入れて、悠太はそっと顔を近づける。



 こんな事を言うつもりもなければ、こんな行動を起こすつもりもなかった。
 いつものように笑い、おどけ、少女に呆れられながらも、最後に浮かぶ笑みが好きだったから、本当に本当に好きだったから、こんな風に自分の気持ちを表に出そうなんて、正直思ってもみなかった。
 けれど…


「そんな事ばっかり言ってると、本気で好きな人出来た時に逃げられちゃいますよ?」
 なんでもない一言だったのだろう。
 いつもの軽口。
 けれど確信をついたその言葉に、容易く剥がれ落ちるピエロの仮面。



「俺が笑っていれば、皆笑うでしょ?」
「先輩?」
「俺が馬鹿やってれば、安心するでしょ?」
「……ゆーたせんぱ…」
「ねぇ、今の俺は君にどう映っているのかな?」
 額に触れる相手の温もり。
 ただでさえ大きかった少女の眼差しは、驚きすぎてしまっているのだろう。今にも零れおちそうで。
「好きだよ?」
「…っ」
「君が、好きだ」
「せんぱ……」
「……………なぁんてね」
「は?」
 両手を離し、顔を遠ざけ、ぽかんと見上げる眼差しに、パチンとウインク一つして。
「ね?びっくりした?ドキドキしちゃったりしてー…え?もしかして、そのまま俺に惚れちゃったりした?」
 いやぁ、参ったなぁっと笑みを浮かべゆっくり少女から離れるように一歩下がる。
 指先に残る熱を散らし、額に残る温もりから目を背け、再び仮面を付け直し。
「っ!!先輩の馬鹿っ!」
 逃げ行く背中を追うことせずに、悠太はそっと息を吐く。
「俺はね、本当は弱虫なんだ」
 嫌われる事が怖い。
 逃げられる事が怖い。
 本気で愛して、拒絶される事が、怖い。
 だから…


「解っているんだ。本当はね」


 時を重ねるごとに向けられる好意。
 冗談じゃすまなくなっている己の感情。
 けれど、今は未だ…


「俺を、好きになんてならなければいいって思っちゃうんだよね」


 ごめんね。


 自分勝手な想いを胸に、ゆるやかな褥に身を任せ…
 だが、この時悠太はまだ気づかなかった。抑えても抑えても、あふれ出す想いがある事に。
 結局、我慢できなくなってアタックをしかけはじめるのは、そう遠くない話しである。




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あとがき。

悠太先輩は片想いが似合うと思います。
手を出すに出せなくて、じくじくしていればいいと思います。でも、これ書いたのが、終章前だったので、積極的な先輩に、蒼白になったのは秘密です…
えぇ。別人28号で。すみません、すみません、すみません…
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