fc2ブログ

朱色の刻

ゲーム「緋色の欠片」の二次創作小説ブログです。真珠をメインに守護者×珠紀を目指しています。他にも翡翠、悠久、VitaminXなど、NLオンリー乙女ゲーム中心に書いています。

融合。(祐一×珠紀)

2008-07-25-Fri-03:59



【融合。】

(緋色の欠片:祐一×珠紀)




 重なる思考。
 合わさる力。
 祐一は、意識の奥の更に奥に沈むもう一人の己を自覚し、口元に静に笑みを浮かべていた。
 目の前には異形に身を落とした、かつて、ドライと呼ばれたもの。
 その身の内には、この世すら破壊できるほどの、『鬼斬丸』と呼ばれた悪意ある力が篭っている。
 今まで、何度もドライと戦ってきた。
 正直、勝つ見込みなど無に等しく、それでも少女だけを守ろうと…それだけを思ってきた。
 だが………

 境内を照らす白い月。
 鼻腔擽る鉄の臭い。
 戦いの最中傷ついた体は痛み、目の前の存在から比べれば、ケモノである己すら、なんてちっぽけなものなのだろうと、そう思う。
 背から感じる少女の眼差しは不安に揺らめき、だが、それでも…
「心配するな」
 擦れる声は口に出る端から中に解け、荒れ狂う力の前に掻き消える。
 それでも、祐一は敢えてその言葉を少女に告げた。
 それは、決して少女を安心させるためのものではない。
 強大な力を目の前に、虚勢を張ったわけでももちろんない。
 
 揺らぐ眼差しの中に強い光が見えた。
 震えながらも、それでも立ち向かおうとする意思が見えた。
 だからこそ…
 祐一は少女を守るように両手を広げ、その眼差しを僅かに細める。
 体を覆う、青い炎。
「千年の約束により玉依姫を守る守護者となり、今夕より、こいつを…春日珠紀を守ると、心に誓いし者」
 零れだす声。
 音。
 己のものでありながら己のものではない僅かな矛盾。
 だが、それも一瞬の事。
 瞼を閉じ、そしてゆっくりと開けば、それは紛れも無く弧邑祐一のものになり…

 ゲントウカの意思。
 己の意思。
 守りたいと思った。
 この世の何を置いても、守り続けようと、そう、思った。
 誰にも傷つけさせない。
 誰にもその光を奪わせる事などさせはしない。

 千年前より続く、その想いは…

 悪意に犯される空気。
 それでも引く事など出来はしない。
 その意味を見出せない。

 自分は…
 己は…

 力の入る指先。
 延びきった爪の先にまで人ではありえぬ力が篭る。

 厭っていた。
 己の存在を。
 焦がれていた。
 人という存在を。
 だが、それも過去の事。

 立ち上がる影。
 己を見据える暗い眼差し。
 祐一はそれを見つめ、金色の輝く眼差しに笑みを浮かべ、そっと片手を前へ出す。
 浮かぶ炎は一つ、二つ。

 そう、今なら解る。
 この想いの意味。
 己の存在の意味。
 そして…


「こいつを守るためなら、俺は、神さえ、ほふるだろう」



 必要なものはたった一つ。
 間違っても、それは神ではないのだと…



===================
あとがき。

できれば、このお話は戦闘シーンで守護者がいい感じで登場する時に流れる、チャンチャンチャチャーンをバックミュージックに聞きながら読んで欲しい品だったりします。…や、別に聞かなくてもいいんですけれど、こう、テンション的に(笑)
祐一先輩ルートをやっていたら、唐突に書きたくなった作品なためか、微妙ちゃぁ微妙ですあ、祐一先輩のテンポ早めなSSは初なので(多分)結構、満足です。
戦闘シーン中の先輩の決意のシーンを書きたかったのと、ゲントウカと祐一先輩のフュージョン(謎)もイメージしたんですが……うぅむ。微妙。
スポンサーサイト



COMMENT



コメントの投稿

HOME