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朱色の刻

ゲーム「緋色の欠片」の二次創作小説ブログです。真珠をメインに守護者×珠紀を目指しています。他にも翡翠、悠久、VitaminXなど、NLオンリー乙女ゲーム中心に書いています。

四つの拘束。

2008-08-04-Mon-06:47





【こっそり緋色3カウントダウンSS】



四つの拘束。

(祐一×珠紀)










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 耳を塞ぎ、目を塞ぎ、唇を塞ぎ、閉じ込めて。
 全てのものから少女を隠し、いっそ…自分だけが側に居れば良いのにと、祐一は佇む少女を見下ろし想う。



 ちりん

 どこからともなく聞こえる風鈴の音色。
 部屋へと入り込む涼風に、祐一は僅かに口角を上げながら、それでも少女に指を伸ばす。
「先輩?」
 聞こえる声は、目の前の少女から。

『皆で花火大会でもしませんか?』

 太陽が未だ空に在り、蝉が未だ命の歌を歌っている頃、弧邑家へとかかってきた一本の電話。
 時刻は夜七時。
 場所は宇賀谷家の庭で。
 メンバーはと言えば、お決まりとなっている守護者六名。
 断る理由などあるはずも無く。
 ましてや愛しい少女の誘いとあれば、何を置いても最優先になるわけで…
 そう、その時はまだ、それなりに楽しみではあったのだ。
 冷えた西瓜を右手に持って、日が落ちても尚暑い外気に瞳を細め。


「あの…先輩?皆が…」

 風に乗って聞こえる、風鈴だけではない、数名の足音と…
「放っておけばいい」
 自分と少女の名を呼ぶ知った声。
 きっと探しているのだろう。
 ここではなく、開かれる扉。
 近づく足音。
 それでも、祐一は伸ばした指を引く事なく、指先で少女の耳朶をそっと触れる。




 開いた玄関。
 迎えたのは、黒字に薄紅色の桜の花が描かれた浴衣を身に纏う少女の姿。
 最初に足を踏み入れたのは祐一で、次いで玄関に姿を現した誰もが、『どうですか?』と恥らい、笑う少女に心奪われた。
 そう、何かが変わり始めたのだとすれば、きっとそこからだ。

 広げられた手持ち花火。
 庭に置かれた打ち上げ花火。
 それぞれが持ち寄った差し入れを、美鶴が切り分け、珠紀が器に移し、笑みを交わし、言葉を交わした。
 漂う火薬の香り。
 大地に落ちる、光の花びら。
 楽しい一時のはずだった。
 別に珍しい事ではないはずだ。
 それなのに…


「あの…」
 掌を広げ、少女の耳へ。
「少し、黙っていて欲しい」
 顔を少女へ近づければ、自然とその瞼は閉ざされて。
「ゆ…いちせんぱ」
 瞼に口付けを。
 鼻先に口付けを。
 僅かに震える口角に。
 そして、言葉を発するように薄く開かれた唇に。

 浴衣に身を包む少女は愛らしかった。
 頬を染める少女に愛しさが募っていった。
 伸びかけた手は、他の守護者の声に横に落ち、自分以外に向けられる眼差しに、自然と苛立ちが募っていった。
 その理由を祐一は知らず、知る術を持たず。だが………

「…っ」
 唇の下で零れる吐息。
 苦しげに震える少女の瞼。

 可哀相に。
 そう想う。
 耳をふさがれ、目を閉じて、呼吸すらも制限されて。
 それなのに、逃そうという選択肢がない事を、当に祐一は理解していた。
 そう。
 あの戦いの中、少女を守ると誓ったあの瞬間から、きっと自分のこの醜い想いは心に根付き。
 そして…

「珠紀…」
 擦れる声。
 滲む欲。

 いつの間にか、自分達を探す足音は聞こえず。
 風鈴の音色も耳には届かず、今はただ…


 その四肢すらも拘束し、少女の全てを閉じ込めて…





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あとがき。

すみません。本当にすみませんでした。
何かもう、祐一先輩ファンの方、すみません。別人28号になりました。
先輩SSをここの所書いていなかった上に、眠さが影響しているかと思われます。

…でも、今日中に書いておかないと、明日の朝にならないと仕事から帰って来れないからなぁ…

とりあえず、祐一先輩は妬けるとか、口では言うけれど、本当に嫉妬する時はもう、本能のままにつっぱしってしまう人なんじゃないかと思います。
そんで、後になって「すまなかった」とか言うんですが、とても嬉しそうに告げるんじゃないかなぁと(妄想)
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COMMENT



如月さまへ。

2009-01-31-Sat-20:23
如月さま、こんばんはーっ!!
祐一先輩は、天然エロで、とても優しくて穏やかで、けれどっ、けーれーどっ、独占欲は強いと思うのですよっ。
普段、執着しない人がただ一人だけに執着するのって、良いですよねっ。
もっと、如月さまをメロメロにさせる事が出来たらっと、変態チックに思いつつこの辺にて。
コメント、ありがとうございましたーつ!!

NoTitle

2009-01-31-Sat-16:20
独占欲強くて、ちょっと黒い祐一先輩は好きです(笑)本編では、やさしい人だったのでよけいに・・・。いや、一番好きなんですけどね。でも、普段おとなしい人ほど、と言いますし・・・。
強気でこられたらメロメロです。

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