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朱色の刻

ゲーム「緋色の欠片」の二次創作小説ブログです。真珠をメインに守護者×珠紀を目指しています。他にも翡翠、悠久、VitaminXなど、NLオンリー乙女ゲーム中心に書いています。

ながれぼし。

2008-08-10-Sun-20:33





【緋色の欠片3 蒼黒の楔 SS】


ながれぼし。

(遼×珠紀)


※注意※

このお話しは、遼ルートのとある一場面をどうしても、珠紀の感情をダダ漏れさせた状態で書きたくて書きたくて書いてしまったものです。
セリフを引用していたりしていますので、ネタバレな嫌な方は見ない方がいいかもです。
それでもよろしければ、下へとどうぞ~








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 そんなに優しくしないで欲しい。
 頬に触れる熱。
 赤の中に煌く怒り。
 秋よりも、冬よりも、春よりも明るい夜空が頭上に広がり、足元に伸びる己の影。


「その匂いを隠すな」
 五瀬に追われ、この世界に来た。
「不安と恐怖と絶望と―――」
 闇に囚われたこの世界で、仲間の死を鏡で知った。
 自分が行った行動は、決して誉められたものじゃなく。
 目の前の存在を救うために、皆を見捨てた。
 皆が無事だという確信があったわけじゃなく。
 ただ、あの時は、死んで欲しくなくて…
 残された皆がどんな状況にあるのか、想像できなかったわけじゃなかったけれど、それでも、目の前で傷ついて欲しくなくて…
「一番泣き出したいのは、お前のはずだ」
 誰もが何も言わなかった。
 教室の中。
 ふいの絶望で、自分の謝罪の言葉すら受け入れられなくて。
 でも、それは当たり前で。

 私が、殺した。
 私が、見捨てた。

 それは間違いようのない真実。
 だから……

 震える唇を無理やり開き、ほんの僅か口角を上げる。
 笑わなくては。
 そう、笑わなくてはならない。
 大丈夫だと。
 だから、心配しないで欲しいと…

「―――匂いでわかるんだよ」

 くじけそうになる想い。
 容易く零れそうになる涙。
 泣く資格なんかない。
 嘆く資格なんか無い。
 それなのに、何故、彼はこんな事を言うのだろう。

 隠すな。
 辛いのなら辛いと言え。
 お前が皆を救うと言うのなら、お前は…

「お前は誰が助けるんだよ!」

「………っ!」

 止めて欲しい。
 あの時、学校の中。
 鏡を見つめ、悲しみに暮れて、誰もが言葉を発さなかったあの瞬間、自分は確かに決めたのだ。
 せめて、せめて…彼らは守ろうと。
 自分の取ってしまった行動で、大切なものを失ってしまった彼らだからこそ、他でもない自分が彼らを……

「聖人ぶってんじゃねえよ!お前はそこまで強くねえだろ!」

 違う。

「身の丈に合わない強さなんて捨てろ!」

 違う

「助けてって言わなきゃ、誰も助けに来ないんだよ!」

 違う

「強い振りなんてするんじゃねぇ!」

 違う―――!

 強い、強くなりたい。強くあろうと想った。
 彼らを悲しませないように、彼らを死なせないように、だって、自分が笑っていなければ、きっと彼らは無理をする。
 大切なものを奪った自分なのに、そんな自分を助けようと、きっとまた無茶をして、傷ついて、今度こそ、死んでしまうかもしれない。
 だから……


 あぁ、でも、やっぱり…自分は、とても弱く…


 指先から力が抜ける。
 剥がれ落ちていく仮面。
 あふれ出す感情。
 言っては駄目だと理性が告げる。
 けれど…

 赤い眼差しがとても優しくて。
 頬に触れる温もりがとても暖かくて。
 だから…

「つらいよ……」

 本音が唇から零れだす。

「見殺しにしちゃったんだ」

 言ってはいけないと、解っているのに。

「みんな、助かったかもしれないのに!」

 私が…
「私が」

 殺した
「殺したんだ」

 本当は怖かった。
 本当は逃げたかった。
 本当は…自分こそが、助けて…欲しかった。
 でも………

「悪かったな」
 届く声。
 抱きしめられる体。
 何故、謝るのだろう。
 悪いのは自分で、見殺しにしたのは自分で。
 けれど…
「…たすけて…」

 紡いだ声。
 零れる涙。

 許されないと思っていた。
 許されてはいけないと思っていた。それは今でも変わりはないけれど、でも……



 流れ行く光の柱。
 感じる熱に包まれながら、珠紀は意識を手放した。


「…馬鹿だな」


 途切れいく意識の中、遼の声を、聞いた…気がした。



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あとがき。

このお話しはですね、ずっと、拓磨ルートの時からずっと、珠紀は前向きにしているけれど、前向きに見せかけているだけで前向きじゃないんだよっ!という、私の心情が見事遼ルートで出てくれたので、思わず、書いてしまった作品です。
や、ゲームで珠紀視点であるので、アレかなーとか思ったんですけど。でも、こう、移り変わりというかっ!仮面が崩れ落ちる瞬間というかがっ!
このシーンの遼視点も今度書いてみたいなぁ。
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COMMENT



お嬢様へ。

2008-08-11-Mon-19:14
お嬢さまへ。

お嬢様、こんばんはー。緋色は順調に進んでいらっしゃるでしょうか。私は…ある意味順調だけれど、時折、寝てしまったりしています(マテ)
今の所、黒さに磨きがかかった慎司君を頑張って進めていたりしています。
さて、今回の緋色3の遼っ!やばいですよねっ!もう、イイオトコったらいい男ったらっ!
くはぁとなります。
おぉぉ、遼視点ですかっ!ちょっと頑張ってみようと想いますっ。全員クリアしてから…まずは、そこか…ら。
ちなみに、凛ルートは大蛇さん・慎司君ルートから入れますよー
と叫びつつこの辺で。失礼いたしますー


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2008-08-10-Sun-22:21
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